Vinmec Central Park International Hospital|2025年12月8日受診
まず朗報から:現時点での検査結果は驚くほど良好です。特に肝機能(γ-GTP 11.60 U/L)は、毎日飲酒しているとは思えないほど優秀な数値です。これは恵理さんの若さと体質に助けられている部分が大きいです。
しかし重要な警告:肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、ダメージが蓄積しても症状が出にくく、異常が数値に現れたときには既に手遅れになっていることが多いです。また、WHO(世界保健機関)の研究では、アルコールは発がん物質(グループ1)に分類されており、乳がん・肝臓がん・食道がん・大腸がんなどのリスクを高めます。
現在の数値が良いからといって安心せず、定期的な検査(年2回)と肝臓ケアを意識することが将来の健康を守る鍵です。
驚くべきことに、全ての肝機能数値が理想的な範囲内です。特にγ-GTPは飲酒者で上昇しやすい指標ですが、11.60 U/Lは非常に低い数値。これは恵理さんの肝臓がまだ若く、回復力が高いことを示しています。
肝臓は「沈黙の臓器」であり、70〜80%がダメージを受けるまで症状が出ないことが多いです。今の数値が良いからといって安心はできません。アルコール性肝障害は10〜20年かけて進行し、脂肪肝→肝炎→肝硬変→肝臓がんと段階的に悪化します。
今できること:週に2日は「休肝日」を作る、仕事中は水を多く飲む、シリマリン(ミルクシスル)などの肝臓サプリを検討。
年2回の肝機能検査を継続し、数値の推移を監視。γ-GTPが50を超えたら要警戒、100を超えたら即座に医師に相談を。腹部エコーで脂肪肝の有無も年1回チェック推奨。
尿に本来あるべきでない「タンパク質」と「白血球」が検出されました。これは腎臓や膀胱のどこかで軽い炎症が起きている可能性を示します。eGFR 77.25は33歳女性としてはやや低め(標準は80〜120)。
毎日の飲酒は腎臓にも負担をかけます。アルコールには利尿作用があり、脱水状態になりやすいです。脱水は腎臓に負担をかけ、尿蛋白が出やすくなる原因の一つ。仕事中も水をたくさん飲むことが腎臓を守るコツです。
腎臓内科の受診を推奨。まずは再検査で一過性か持続性かを確認。3か月以内に再検査を。無症状であれば緊急性は低いですが、放置は禁物です。
A型肝炎ウイルスに対する免疫(抗体)がありませんでした。A型肝炎は汚染された食べ物や水から感染し、発熱・黄疸・強い倦怠感を引き起こします。特に毎日飲酒する人が感染すると重症化リスクが高いです。
健康診断後にA型肝炎ワクチン接種を開始!2回接種(0か月目と6か月目)で生涯免疫が得られます。ベトナム在住で毎日飲酒する恵理さんにとって、最も費用対効果の高い健康投資を実行中です。素晴らしい判断!
ペプシノーゲンは胃粘膜の健康状態を反映。PG Iが低いと萎縮性胃炎の可能性がありますが、PG I/II比が5.1と正常なため深刻な萎縮は考えにくいです。またピロリ菌は陰性で胃がんリスクは低い。
アルコールは胃粘膜を傷つける作用があります。毎日の飲酒が胃に負担をかけ、ペプシノーゲン低値の一因になっている可能性も。空腹でのお酒は特に胃に悪いので、必ず何か食べてから飲む習慣を。
年1回の胃カメラ検査で経過観察。胃もたれ・胸焼けが続く場合は消化器内科へ。
NILM = がん・前がん病変なしという良い結果です。「炎症性変化」は子宮頸部に軽い炎症があることを示しますが、感染症・ホルモン変化・物理的刺激など様々な原因があり、心配する必要はありません。
ガイドラインでは通常のスクリーニング間隔(3〜5年)で経過観察。次回の定期検診で再確認すれば十分です。
※ ただしアルコールには血糖値を乱高下させる作用があります。長期的には糖尿病リスクが上昇する可能性も。
HDL 103は驚異的な高さ!適度なアルコールがHDLを上げる作用は知られていますが、過度の飲酒は中性脂肪を上げるため注意。
良いニュース:肝機能・糖代謝・脂質代謝のすべてが理想的な範囲内。特にγ-GTP 11.60とHDL 103は驚くほど優秀。恵理さんの体は今のところアルコールを上手に処理できています。
対処済み:A型肝炎ワクチンは健康診断後に接種を開始済み。素晴らしい判断です!
注意が必要な点:尿検査異常(蛋白・白血球陽性)とeGFRのやや低下、ペプシノーゲンI低値の3点は引き続きフォローが必要です。
長期的な視点:今は若さと体質に助けられていますが、アルコールの影響は10〜20年かけてゆっくり蓄積します。40代になってから後悔しないよう、今から肝臓ケアと定期検査の習慣をつけることが最も重要です。