🏥 健康診断レポート 2025

Vinmec Central Park International Hospital|2025年12月8日受診

田中 恵理(TANAKA ERI)
生年月日1992年12月1日(33歳)
性別女性
患者ID201684902
🍸 キャバクラ勤務|毎日飲酒あり
✓ 総合判定:Grade II(概ね良好)
🍺⚠️
毎日飲酒者への重要な健康情報
キャバクラ勤務で毎日お酒を飲む恵理さんへ

まず朗報から:現時点での検査結果は驚くほど良好です。特に肝機能(γ-GTP 11.60 U/L)は、毎日飲酒しているとは思えないほど優秀な数値です。これは恵理さんの若さと体質に助けられている部分が大きいです。

しかし重要な警告:肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、ダメージが蓄積しても症状が出にくく、異常が数値に現れたときには既に手遅れになっていることが多いです。また、WHO(世界保健機関)の研究では、アルコールは発がん物質(グループ1)に分類されており、乳がん・肝臓がん・食道がん・大腸がんなどのリスクを高めます。

現在の数値が良いからといって安心せず、定期的な検査(年2回)肝臓ケアを意識することが将来の健康を守る鍵です。

基本データ

155
身長
cm
46
体重
kg
19.2
BMI
普通体重
111/79
血圧
mmHg(正常)
63
脈拍
bpm(正常)
60
ウエスト
cm(理想的)

⚠️ 要注意項目(4件 + 対処済み1件)

🍺 肝機能と飲酒習慣
要継続監視
AST(GOT)18.80 U/L基準:<35
ALT(GPT)6.84 U/L基準:<35
γ-GTP11.60 U/L基準:0〜38

📖 現状の評価

驚くべきことに、全ての肝機能数値が理想的な範囲内です。特にγ-GTPは飲酒者で上昇しやすい指標ですが、11.60 U/Lは非常に低い数値。これは恵理さんの肝臓がまだ若く、回復力が高いことを示しています。

🚨 しかし油断は禁物!

肝臓は「沈黙の臓器」であり、70〜80%がダメージを受けるまで症状が出ないことが多いです。今の数値が良いからといって安心はできません。アルコール性肝障害は10〜20年かけて進行し、脂肪肝→肝炎→肝硬変→肝臓がんと段階的に悪化します。

今できること:週に2日は「休肝日」を作る、仕事中は水を多く飲む、シリマリン(ミルクシスル)などの肝臓サプリを検討。

✋ 推奨アクション

年2回の肝機能検査を継続し、数値の推移を監視。γ-GTPが50を超えたら要警戒、100を超えたら即座に医師に相談を。腹部エコーで脂肪肝の有無も年1回チェック推奨。

🔴 尿蛋白・尿白血球 陽性
要精密検査
尿蛋白(PRO)0.15 g/L基準:陰性
尿白血球(LEU)25 Leu/µL基準:陰性
eGFR(腎機能)77.25 mL/min基準:>90

📖 これは何を意味する?

尿に本来あるべきでない「タンパク質」と「白血球」が検出されました。これは腎臓や膀胱のどこかで軽い炎症が起きている可能性を示します。eGFR 77.25は33歳女性としてはやや低め(標準は80〜120)。

🍺 アルコールとの関連

毎日の飲酒は腎臓にも負担をかけます。アルコールには利尿作用があり、脱水状態になりやすいです。脱水は腎臓に負担をかけ、尿蛋白が出やすくなる原因の一つ。仕事中も水をたくさん飲むことが腎臓を守るコツです。

✋ 次のステップ

腎臓内科の受診を推奨。まずは再検査で一過性か持続性かを確認。3か月以内に再検査を。無症状であれば緊急性は低いですが、放置は禁物です。

✅ A型肝炎 免疫なし → ワクチン接種中
対処済み
HAV IgM(急性感染)陰性 0.304基準:<1.0
HAV Total(免疫)陰性 1.18基準:>1.0で陽性

📖 これは何を意味する?

A型肝炎ウイルスに対する免疫(抗体)がありませんでした。A型肝炎は汚染された食べ物や水から感染し、発熱・黄疸・強い倦怠感を引き起こします。特に毎日飲酒する人が感染すると重症化リスクが高いです。

✅ 対処済み

健康診断後にA型肝炎ワクチン接種を開始!2回接種(0か月目と6か月目)で生涯免疫が得られます。ベトナム在住で毎日飲酒する恵理さんにとって、最も費用対効果の高い健康投資を実行中です。素晴らしい判断!

🟡 ペプシノーゲンI 低値
経過観察
ペプシノーゲンI35.7 ng/mL基準:≥70
ペプシノーゲンII7.0 ng/mL基準:3〜15
PG I/II比5.1基準:≥3

📖 これは何を意味する?

ペプシノーゲンは胃粘膜の健康状態を反映。PG Iが低いと萎縮性胃炎の可能性がありますが、PG I/II比が5.1と正常なため深刻な萎縮は考えにくいです。またピロリ菌は陰性で胃がんリスクは低い。

🍺 アルコールと胃

アルコールは胃粘膜を傷つける作用があります。毎日の飲酒が胃に負担をかけ、ペプシノーゲン低値の一因になっている可能性も。空腹でのお酒は特に胃に悪いので、必ず何か食べてから飲む習慣を。

✋ 推奨

年1回の胃カメラ検査で経過観察。胃もたれ・胸焼けが続く場合は消化器内科へ。

🔵 子宮頸がん検査 炎症性変化
経過観察
細胞診結果NILM(悪性なし)-
所見炎症性変化あり-

📖 これは何を意味する?

NILM = がん・前がん病変なしという良い結果です。「炎症性変化」は子宮頸部に軽い炎症があることを示しますが、感染症・ホルモン変化・物理的刺激など様々な原因があり、心配する必要はありません

✋ 次のステップ

ガイドラインでは通常のスクリーニング間隔(3〜5年)で経過観察。次回の定期検診で再確認すれば十分です。

✅ 良好な結果(アルコール摂取者として驚異的)

🍬
糖代謝(糖尿病リスク)
🏆 優秀
空腹時血糖82 mg/dL70〜100
HbA1c5.26%<5.7%
糖尿病リスク極めて低い

※ ただしアルコールには血糖値を乱高下させる作用があります。長期的には糖尿病リスクが上昇する可能性も。

💧
脂質代謝
🏆 超優秀
総コレステロール150 mg/dL<200
LDL(悪玉)51 mg/dL<130
HDL(善玉)103 mg/dL≥50
中性脂肪97 mg/dL<150
動脈硬化リスク非常に低い

HDL 103は驚異的な高さ!適度なアルコールがHDLを上げる作用は知られていますが、過度の飲酒は中性脂肪を上げるため注意。

🩸
血液検査
全項目正常
白血球(WBC)7.50 × 10⁹/L3.8〜11.8
赤血球(RBC)4.11 × 10¹²/L3.63〜4.92
ヘモグロビン12.6 g/dL10.9〜14.3
血小板276 × 10⁹/L179〜408
🦋
甲状腺機能
正常
TSH3.165 µIU/mL0.38〜5.33
FT33.47 pg/mL2.5〜3.9
FT410.74 pmol/L7.86〜14.41
🎯
腫瘍マーカー(6項目)
全て正常
AFP(肝臓)1.83 ng/mL<9.0
CEA(大腸・肺)0.71 ng/mL≤3
CA 19-9(膵臓)18.08 U/mL≤35
CA 15-3(乳房)4.1 U/mL≤23.5
CA 125(卵巣)11.93 U/mL≤35
CYFRA 21-1(肺)1.16 ng/mL≤2.37
🛡️
肝炎ウイルス
B型免疫あり
HBsAg(B型抗原)陰性感染なし
HBsAb(B型抗体)陽性 62.63免疫あり
HCV Ab(C型抗体)陰性感染なし
ピロリ菌陰性感染なし

📋 恵理さんへの推奨アクション

💉
A型肝炎ワクチン接種
✅ 対処済み
健康診断後にワクチン接種を開始済み!2回接種(0か月目と6か月目)で生涯免疫が得られます。6か月後の2回目接種を忘れずに。
✅ 接種中|2回目を忘れずに
🫘
腎臓内科の受診
優先度:高|緊急性:中
尿蛋白・尿白血球の陽性とeGFR低下について精密検査を。一過性の可能性もあるので、まずは再検査で経過確認。毎日の飲酒が腎臓に影響している可能性も考慮。
📅 3か月以内に再検査
🍺
肝臓ケアの習慣化
優先度:高|継続的
週2日の休肝日を目標に。仕事中は水を多く飲む(アルコール1杯につき水1杯)。シリマリン(ミルクシスル)などの肝臓サプリを検討。肝機能検査は年2回に増やす。
📅 今日から開始
🏥
胃カメラ検査
優先度:中|年1回
ペプシノーゲンI低値の経過観察のため。アルコールは胃粘膜を傷つけるため、空腹での飲酒は避ける。胃もたれ・胸焼けが続く場合は早めに受診。
📅 年1回の定期検査
🎀
乳がん検診
優先度:中|年1回
WHOの研究ではアルコールは乳がんリスクを上げることが判明しています。33歳なのでマンモグラフィーは不要ですが、乳腺エコー検査を年1回推奨。
📅 年1回の定期検査
💊
ビタミンB群補給
優先度:低|継続的
アルコールはビタミンB群(特にB1、B6、B12、葉酸)を消耗します。マルチビタミンまたはB-コンプレックスのサプリメントで補給を検討。
📅 毎日継続

📊 総合評価

現時点の健康状態:良好
毎日飲酒者としては驚異的に良い数値

良いニュース:肝機能・糖代謝・脂質代謝のすべてが理想的な範囲内。特にγ-GTP 11.60とHDL 103は驚くほど優秀。恵理さんの体は今のところアルコールを上手に処理できています。

対処済み:A型肝炎ワクチンは健康診断後に接種を開始済み。素晴らしい判断です!

注意が必要な点:尿検査異常(蛋白・白血球陽性)とeGFRのやや低下、ペプシノーゲンI低値の3点は引き続きフォローが必要です。

長期的な視点:今は若さと体質に助けられていますが、アルコールの影響は10〜20年かけてゆっくり蓄積します。40代になってから後悔しないよう、今から肝臓ケアと定期検査の習慣をつけることが最も重要です。